灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 543字・約1分
好きな相手が近くにいるのに、自分だけが遠くに取り残されている。『カラミざかり2』で私が気になるのは、高成のそんな疎外感だ。四人の均衡が崩れ、夏休みへと向かうなかで、一緒に過ごすことと、相手の心に近づくことの違いが重く感じられる。
高成の寂しさを考えると、かわいそうだという気持ちだけでは割り切れない。相手を好きでいることと、相手の気持ちを理解することは別だからだ。自分がどうしたいかで頭がいっぱいになれば、目の前の人が望んでいることを見落としてしまう。私は、高成の孤独と自分本位なところを、どちらか一方だけで判断したくない。
思いが届かない苦しさには共感できても、それで相手が自分の望むように動くわけではない。この食い違いが気になる。飯田に対しても、高成が思い描く姿だけを基準にすれば、見えなくなるものがあるだろう。彼の側から感じる寂しさと、彼女の側にある気持ち。その両方を考える余地を残しておきたい。
前作で始まった関係が、二作目では誰にどんな孤独をもたらすのか。私には、四人でいるからこそ際立つ一人の心細さが、この巻を考える手がかりに思える。誰が悪いかを決める前に、誰が何を求め、どこですれ違っているのかを見つめたい。高成への共感が、そのまま彼への賛成になるとは限らないところが気になる。
この日記は常夜灯の運営者の見立てです。販売元の紹介文やレビューの転載ではありません。




