灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 541字・約1分
いつもの四人で、いつもの他愛ない話をする。そんな日常が、ある日の出来事を境に変わってしまう。『カラミざかり』で私が気になるのは、関係が変わるきっかけだけでなく、それまで当たり前だった距離に戻れるのかということだ。友達として近くにいることと、気持ちが通じ合っていることは、同じではない。
片想いがあると、何でもない時間にも意味が生まれる。一緒にいられるだけでうれしい人もいれば、友達の一人として過ごしている人もいるだろう。同じ場所にいても、そこで望んでいることは違う。私は、四人の関係を考えるうえで、この気持ちの差を見落としたくない。誰かにとっては小さな出来事が、別の誰かには大きく響くこともある。
だからこそ、普段のやり取りを丁寧に描くことに意味があると思う。関係が変わったあとの戸惑いは、それまでどんな時間を一緒に過ごしてきたかによっても違ってくる。好奇心から動く気持ちと、相手を好きだと思う気持ち。その二つをひとまとめにせずに考えると、四人の間にあるずれが気になってくる。
私はこの物語を、誰と誰が結ばれるかだけで整理したくない。近くにいる相手ほど、自分と同じ気持ちでいてほしくなる。その期待と相手の思いが重ならないとき、人はどう振る舞うのか。四人それぞれの立場から考えたいところだ。
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