灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 527字・約1分
同窓会で久しぶりに会う相手には、昔の面影を探してしまう。それぞれ別の道を進んできた飯田と高成にも、変わったところと、変わらないところがあるのだろう。私がこの再会で気になるのは、今の暮らし以上に、二人が互いをどんな存在として見ているかだ。
飯田にとって高成は、自分を否定せずに見てくれる特別な相手なのかもしれない。私は、この見方に惹かれる。好きだから付き合う、一緒にいるから幸せになる。そんなふうに順序よく説明できる関係ばかりではない。誰にも分かってもらえない部分を知っている相手がいる。そのことが、恋人という肩書き以上の意味を持つ場合もあると思う。
ただ、理解し合っているように見えることと、二人が同じ気持ちでいることは別だ。飯田が親しさを示しているつもりでも、高成がどう受け止めるかで、その意味は変わる。私には、そこが簡単に両想いと言い切れない理由に思える。近いはずなのに、どこか遠い。そんな距離を考えると、再会にも懐かしさだけでは済まない切なさを感じる。
本編から二人を追ってきた人なら、この関係をどう呼ぶだろう。私は、恋が実ったかどうかだけで結論を出さず、互いにとって何が特別なのかを考えたい。二人のその後が気になっていた方に、手に取ってほしい一作です。
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