灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 536字・約1分
前作で拓馬との関係が変わった梓が、今度は一人で自分の変化に向き合う。悔しさと戸惑いを抱えているところへ、幼馴染の紗英から荷物が届く。私が気になるのは、拓馬と過ごした時間を、梓がまだうまく受け止めきれていないことだ。強気だった自分と、初めて知った感情。その間にあるずれを、一人の時間で確かめていく続編になっている。
誰かと一緒にいるときは、相手の反応を見ながら振る舞うことになる。一人になれば、自分が何を感じ、何を求めているのかに意識が向く。前作が二人の距離の変化を描いた話なら、今回はその出来事の後で梓自身に何が残ったのかを考えたくなる。関係が進んだ後の時間に、一冊を使うところに惹かれる。
作画では、柔道に打ち込んできた人物として、腹筋や太ももの筋肉まで描かれている点にも目を向けたい。競技から離れて新しい生活を始めても、それまでの経験は身体に残っている。梓の変化を描きながら、以前から持っている特徴も大切にしているところがいい。
そして、今回もきっかけを作るのは紗英だ。梓をよく知る幼馴染の働きかけを、本人はどう受け止めるのか。周囲に促されて始まったことが、自分自身の選択へ変わっていくのか。私は梓の戸惑いがどんな気持ちへ落ち着いていくのかを、この続編の軸として見ていたい。
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