灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 515字・約1分
年末の忙しい店を、いつもより一人少ない人数で回さなければならない。店長とアルバイトにとって、ただでさえ大変な時期に重なる人手不足。ところが、苦しいだけになるはずだった時間が、二人の関係を変えるきっかけになる。私が惹かれるのは、この身近なところから始まる展開だ。
三年半、店長とバイトとして一緒に働いてきた。その長さがいい。初めて会った相手との急な恋とは違い、すでに同じ職場で過ごしてきた時間がある。見慣れていたはずの人を、仕事仲間とは別の目で見るようになる。私は、こういう関係の変わり目に弱い。それまでの三年半まで違って見えそうで、二人の距離が気になってしまう。
店長という立場にも惹かれる。普段は仕事上の呼び名なのに、二人の関係が変わると、その言葉から受ける印象も変わってくる。役職の向こうに一人の女性が見えてくるところを、私は楽しみたい。舞台が身近な店だからこそ、特別な世界の話よりも二人を近くに感じられるのだと思う。
この一作には、甘いラブコメとして二人を追う楽しさを期待したい。忙しい年末を一緒に乗り切る相手が、仕事だけの相手ではなくなる。長く続いた間柄が恋へ変わっていく話が好きなら、店長と内田君の始まりから触れてみてほしい。
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