灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 552字・約1分
水城と結婚したい主人公に対して、二人の関係はまだ恋人とは言い切れない。『会社のマドンナとラッキーでヤれた話3』で私が気になるのは、親しくなるほど、主人公がその先を急ぎたくなっていることだ。会えるだけでうれしかった頃から、関係を確かなものにしたい気持ちへ変わっている。けれど、水城も同じ未来を考えているかは分からない。
今回は水城の親友・愛美が加わる。水城の悩みを聞き、主人公に意見する立場で現れる人物だ。二人だけでは曖昧にしていた問題を、別の相手から指摘される。私は、主人公が水城の嫌がることを、親密さに甘えて軽く扱っていないかに目を向けたい。結婚を望むほど好きでも、相手の希望を聞けているとは限らない。
その一方で、二人きりなら敬語でなくていいと言われ、名前で呼ぶようにもなる。職場の先輩後輩だった関係が、言葉の上でも近づいていくところがいい。主人公が期待を膨らませるのも分かる。ただ、呼び方が変わったことを、将来への約束と受け取れるわけではない。その小さなずれが気になる。
愛美を交えた場面で水城が見せる嫉妬も、二人の距離を考える手掛かりになる。言葉では決めていない関係でも、相手を独占したい気持ちは生まれるのかもしれない。私は、水城の親しさと主人公の結婚願望が、これからどこで重なるのかを追いたい続編だ。
この日記は常夜灯の運営者の見立てです。販売元の紹介文やレビューの転載ではありません。










