灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 526字・約1分
いつもどおり妖魔を討伐していたカグヤが、戦いの途中で霊力を使えなくなる。『退魔士カグヤ極3』で私が気になるのは、力を失った理由が本人にも分からないまま、状況だけが悪くなることだ。相手の強さを見誤ったという話ではない。頼りにしていた能力が突然働かなくなる怖さが、今回の戦いにはある。
これまでの被害によって、カグヤは攻撃を受けた後の立て直しにも不安を抱えている。だからこそ、先に倒しきる必要がある。その戦い方を支えていた霊力が途切れれば、残る弱点が一度に表へ出る。経験を積んだ退魔士でも、分かっている危険を避けられないところに、追い詰められ方の厳しさを感じる。
私は、今回の窮地をカグヤの油断だけで説明したくない。自分の状態を把握していても、原因の分からない異変までは予測できない。助けを求める相手にも不信があるなら、問題を抱えたまま戦い続けることになる。敵との勝敗に加えて、安全に回復できる場所があるのかも気になる。
霊力を使えなくなった謎は、次巻へ持ち越される。今回は苦境を描きながら、その原因をまだ明かさない一冊だ。私は、彼女が受けた被害と能力の異変がどう関わるのかを確かめたい。目の前の敵を退けることだけでは解決しない問題が、カグヤの戦いに残っている。
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