灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 524字・約1分
気乗りしないまま先輩に予約を取らされ、初めてのメンズエステへ向かう主人公。出迎えるのは、セラピストのヒナだ。私が気になるのは、女性に慣れていない彼と、客を迎えることに慣れた彼女の組み合わせだ。何を話せばいいかも分からない相手に、ヒナがどう接するのか。最初のやり取りには、二人の経験の差が表れる。
ヒナの丁寧な接客があるからこそ、主人公も少しずつ緊張を解いていけるのだと思う。初めて訪れる場所で、自分の振る舞いに自信が持てないとき、相手が自然に会話を進めてくれることは心強い。主人公にとって、彼女は自分から積極的に動かなくても受け入れてくれる存在として映るのだろう。
その関係が変わるきっかけは、主人公が髪をかき上げ、ヒナが彼の意外な一面に気づく場面だ。ここから彼女の内心が見えるようになるところに惹かれる。主人公だけが戸惑っていた時間から、ヒナも相手を意識する時間へ移る。客の様子を見ていた彼女自身が、今度は気持ちを揺らす側になる。
外見への印象が変わる展開だけでなく、その後のヒナの言葉にも目を向けたい。助言には彼女自身の思惑も混じりはじめる。私は、主人公が自信を得ていく様子と、接客の顔から個人の気持ちがのぞくヒナの変化を、並べて追いたくなる作品だ。
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