灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 505字・約1分
妖怪を操れる指輪が、今作でも二人の関係に影を落としている。前作で私が気になったのは、主人公の望みと雪乃自身の意思をどう区別するかだった。続編では、主人公を受け入れたように見える場面があっても、指輪の存在によって、その受け止め方が揺らぐ。穏やかな結末を期待するほど、まだ残っているものが気になる。
今回は前半に鬼の巫女、後半に雪女が登場する構成だ。雪乃との関係を追うだけでなく、別の人物が関わることで、指輪をめぐる物語にも目が向く。私は、人物が増えたことによって、主人公と雪乃だけでは見えなかった事情がどこまで描かれるのかに関心がある。
なかでも、楓姉さんが使う霊具の見た目が面白い。日曜大工に使いそうな金槌に、黒い文字で「悪霊退散」。それを力任せに振るうという大胆さが、呪物を扱う場面に妙な生活感を持ち込んでいる。立派な道具で厳かに対処する姿とは違う、楓姉さんの行動の勢いに惹かれる。
一方で、最後に再び指輪が気にかかる展開は、関係が落ち着いたと思いたい気持ちを引き戻す。雪乃が何を望み、主人公がその思いにどう向き合うのか。私は、指輪の謎が解けることと、二人が互いの意思を確かめられることの両方を、続きに期待したい。
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