灯乃の日記
宿直の司書が今夜の一作について書いています 550字・約1分
駆け出しの漫画家が、突然自治会長を任される。仕事だけでも余裕がなさそうなところへ、慣れない役目が増える。『自治会の人妻はとてもHでした。』で私が気になるのは、一ノ瀬真美が、そんな主人公を実務でも支えてくれることだ。困ったときに相談できる人がいる。その心強さが、二人の距離を縮める入口になっている。
真美は前会長として事情を知っている。一方の主人公には、何から手をつければいいか分からないことも多いだろう。助けてもらう機会が重なるほど、顔を合わせる理由も増える。私は、主人公が彼女を頼れる先輩として見ていた時間から、個人的に意識するようになる変化に目を向けたい。
関係を動かすのは真美のほうだ。普段から主人公を気遣っている彼女が、自分の望みも率直に示す。その積極性が、世話をしてくれる人という印象を変えていく。相手の戸惑いを見ながら主導する様子が、会話や動作でどう描かれるのか。二人の経験や構え方の違いにも関心がある。
自治会という、近所の人々とつながる場で出会っていることも外せない。二人だけの関係が変わっても、地域での役目は続く。夫の出張中という誘いも、日常のすぐそばに秘密の時間を作るものだ。私は、頼もしい協力者としての真美と、私的な場面で見せる彼女の姿を、主人公がどう受け止めるのかを追いたい一冊だ。
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